災害発生時の電源確保についての考察

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はじめに

このところ関西における台風による停電、北海道における地震による停電と、立て続けに国内で停電事故が発生し、多くの方が不便な思いを強いられていると思います。災害発生時に最も重要なのは「情報」であることは、論を待たないと思います。しかしながら、報じられるのは役所のスマホ充電コーナーに長蛇の列を作る人々の姿です。中には時間切れで充電を打ち切られ、不快な思いをした方も多くおられるようです。しかし、こうしたストレスは、事前に僅かの備えをしておくだけで、防止することができます。それは「モバイルバッテリーを購入しておくこと」です。

私はこれまでに20,000mAhのものを1台、10,000mAhを2台、購入しています。これとは別に、自動車用の鉛蓄電池を1台、バックアップ用として確保しています。7年前の東日本大震災の際は、モバイルバッテリーはまだ一般的とは言えず、知る人ぞ知るアイテムでしたが、2018年の現在ではモデル数も飛躍的に増え、入手している方も多くおられるでしょう。しかし、あれだけの方がスマホ充電の電源確保に苦労している様子を見ると、まだまだ一般への認知度は低いのかも知れません。それで、この記事を書きました。

モバイルバッテリーとは

モバイルバッテリーとは、「スマートフォンを複数回充電できる程度の容量を有するおもにリチウムイオン電池を搭載した、携帯型の外部バッテリー」のことです。具体的には、たとえば以下のような製品のことです。

これはモバイルバッテリーとして一般的な形状をしていますが、以下のような特徴があります。

  1. 充電コードを接続できるUSBポートを複数備えているため、スマホやタブレット等の電子デバイスを同時に複数回充電できる。
  2. 約500回程度、充電を繰り返して再利用できるためコスト的にも優れる(3000〜5000円程度)。
  3. 重さは300g程度と軽量で、荷物にいれてもそれほど負担ではない。軽量モデルを購入すれば登山やハイキングなどのアウトドアイベントにも有効である。
  4. 最近の大半のモデルは充電したまま放置しても殆ど放電せず災害対策に有効である。

このようなバッテリーを、最低でも一家に一台、できれば一人一台、確保しておけば、停電時にもスマホの充電切れのリスクをほぼ回避することができるわけです。

購入のポイント

では、具体的に、購入にあたってはどんなポイントを考慮すれば良いのでしょうか。以下のような点が挙げられます。

1.信頼できるメーカーの製品を購入する

代表的なのはAnker、RavPower、cheero、Panasonicなどです。これらのメーカーのモデルを購入しておけば、ほぼ間違いがないでしょう。間違っても、100円ショップに売られているような製品に頼るのはNGです(割り切って普段使いするのならギリギリOK)。

2.容量のある程度大きいものを選ぶ

災害対策用としては最低10,000mAhは必要で、できれば20,000mAhが欲しいところです。ちなみに、スマホを一回充電するのに必要なのは3,000mAh程度です(充電ロスを考慮)。ですから10,000mAhでは3回満充電にできれば良い方、ということになります。家族全員分のスマホを充電することを考えると、これではやや心許ない、ということが分かるでしょう。なお、ペン型や名刺サイズなど、小型軽量をうたう製品の大半は、容量が1,000〜3,000mAh程度しかないことが多く、1回の充電で枯渇してしまいますから、災害対策用としては不適格で、あくまで通勤や通学時等の補助的な用途に限定すべきでしょう。

3.急速充電に対応したモデルを選ぶ

昔のモバイルバッテリーは、スマホへの急速充電に対応しておらず、非常に時間が掛かることがありましたが、ここ数年でめざましい機能向上がなされています。Android機であれば、「QuickCharge」に対応したバッテリーを選ぶと良いでしょう(AnkerではPowerIQやVoltageBoostなど独自の名称で同等の機能を実現しています)。iPhone用としては、充電時の電流を2A以上出せるものを買うと、充電が高速に行えます。

4.スマホ用の充電ケーブルに注意する

これは盲点なのですが、結構多くの方が、100円ショップで購入した充電ケーブルを使用しているのではいかと思います。これらのケーブルを選ぶときに、2A以上の電流を通せるものを購入しないと、モバイルバッテリー側が急速充電に対応していても、無意味になってしまいます(強力なポンプに細い管をつけて水を汲むイメージ)。スマホ用の充電ケーブルは、2A以上の電流を通すことに対応したものを選ぶようにしましょう。なおApple製品に付属するケーブルは最初からこれらの規格を満たしています。

5.モバイルバッテリーを充電するACアダプターに注意する

当たり前ですが、モバイルバッテリーも、充電容量が無くなればそれ自体を充電する必要があります。大半のモバイルバッテリーは、マイクロUSBコネクター、またはUSB-Cと呼ばれる端子を使用して、それ自体の充電を行う仕組みになっています。ところが、ほとんどのモバイルバッテリーには、それ自体を充電するACアダプターは付いてきません。ですから、これは自前で別途用意することになります。ここで、多くの方がスマホやタブレットに付属していたアダプターを利用しているのではないかと思いますが、その出力電流が低いと、モバイルバッテリーの充電に途方もない時間(10時間以上)が掛かることになりますので、注意が必要です。これを防ぐには、出力の高いUSB-ACアダプターを揃えることです。そうすれば、大容量のモバイルバッテリーでも、比較的短い時間(数時間)で充電することが出来ます。

おすすめモデル

では、具体的に、どのモデルを買えば良いのでしょうか。上記の条件を満たすモデルの中から選ぶとすれば、現時点では以下の機種をお勧めしたいと思います。

この機種はQuickChargeの最新規格にも対応し、充電用のUSBポートは2ポートあり、容量は20,000mAhと、災害対策用として十分なスペックを持っています。従量は300g程度で決して軽くはありませんが、缶ジュース1本分以下と考えれば大した重さではありません。価格は4,599円(9/7現在)と、決して激安とは言えませんが、得られる安心感を考えれば高くないと思います。

なお、このモバイルバッテリーを充電するためのUSB-ACアダプターとしては、同じAnker社の以下のモデルが良いでしょう。

Anker 24W 2ポート USB急速充電器
https://www.amazon.co.jp/dp/B0156KQ7E6/

このモデルは2ポートでありながら24Wの出力を持っているのが特徴です。これは1ポート辺り2.4A(12W)であり、大容量のモバイルバッテリーでも、高速に充電できるでしょう。またコンパクトですので旅行用としても最適です。価格も1,699円(9/7現在)と安価です。

両方ともAnker製品になってしまいましたが、これは私がAnker製品をずっと使用してきて、その性能の確かさにある程度、自信を持っているからであり、他意はありません。Anker製品にはまた、18ヶ月という、長めの保証期間が標準で付いていることも魅力です。また販売網はすべてAmazonで行っており、不具合発生時の交換態勢なども迅速と評判です。

もちろん、cheeroやRavPowerの同等製品を買っても、不満はないかと思います。この辺りは好みの問題ですから、それぞれ気に入ったものを選べば良いと思います。

番外編

ここまで、「モバイルバッテリー」というカテゴリに限定して書いてきましたが、世の中には「超大型バッテリー」というものも、存在します。これは100,000mAhの容量を持つ、ボックス型のバッテリーで、AC100Vやシガーライターソケットなどを備え、ノートパソコンや扇風機など、一般の家電の稼働にも使えるのが特徴です。例えば、Ankerでは以下の製品が該当します。

この製品は、スマホであれば40回、ノートパソコンでも15回程度、満充電にできるのが魅力です。これだけの容量があれば、自分の家族だけでなく、近所の方にも充電してあげられるでしょう。教会に1台、備えておけば、災害発生時にご近所さんから喜ばれるでしょう。ただ値段もヘビー級で、49,800円と、気軽に買える代物ではありません。それでも、普段からキャンプに行かれる方や、万が一の場合の安心料としては決して高くはない、とお考えの方は、購入されると良いのではないでしょうか。

まとめ

以上、いろいろと書いてきましたが、重要なのは「実際に行動する」ことです。私は、この記事を読んだ全ての方が、モバイルバッテリーを最低でも1台は、手元に置いておくようになることを願っています。「備えあれば憂いなし」と言います。実際、停電時に何の情報も入ってこないことは、非常な恐怖とストレスをもたらします。これは東日本大震災の経験から学んだことです。時には停電は4〜5日、ことによると1週間以上にも及ぶ場合があります。そうなったときに後悔しないためにも、今から備えておくことが大切です。

そのために、この記事が何かの助けになれば幸いです。

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