mixi と Facebook を比較検討する試み

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しばらく前から、mixi にアクセスする頻度よりも、Facebook にアクセスする頻度の方が圧倒的に多くなってきた私がいます。 その傾向は私個人だけではなく、2010年に入ってから、私の知り合いで Facebook を始める人が急速に増えてきました。 いよいよ日本でも Facebook が普及期を迎えつつあるということの証左だと思います。そして私の印象では、近い将来、mixi から Facebook への急激なシフトが起こるのではないかと感じています。 いや、それは避けられないことのようにさえ、思うのです。

なぜか。 それは、SNS としてみた場合の魅力という点において、Facebook の方が mixi よりも勝っている、時には圧倒的に勝っている部分があるからです。 具体的に、Facebook が mixi よりも優れている点をあげるならば、以下の点が考えられます。

1.余計な「足あと」機能がない

mixi の場合、人のプロフィールページを見るだけで、その人の足あと欄に痕跡が残ってしまいます。昨年からは足あとを消せる機能も実装されましたが、月に10回までと言う制限付きで、なおかつ、消すよりも先に相手に見られたら無意味、という使いづらさです。 まさにこの「足あと」機能のせいで、mixi ユーザーは、見知らぬ他人のページにおいそれとアクセスする勇気が出ません。 男性の私でさえ面倒が起きるとやだな、という感情を持つくらいですから、女性ならなおさらでしょう。

「足あと」は、mixi 草創期であれば「友達を増やす」という目的において有効であったのかもしれませんが、これだけユーザーが増えてくると、かえって気軽なアクセスを阻害する要因になっていると感じます。「足あと」機能が、「足かせ」機能になっているとさえ思うのです。

Facebook はそういう面倒さとは無縁です。だれのページを見ようが痕跡は一切残らず、気軽に「友達の友達」の写真を見ることができます(相手が全体に公開する設定にしている場合)。これによって、友達の交友関係を知ることが可能になります。そして、そこから新たな「つながり」が生まれ、友達の輪が広がっていくように作られています。この、「気軽に他の人のページを見れる」というメリットは、mixi には無い Facebook の大きな特長だと思います。

2.「知り合いかも?」機能が秀逸

Facebook には、「この人、ひょっとしたら友達じゃありませんか?」と提案してくれる機能があります。どういうアルゴリズムでそれを実装しているのかわかりませんが、単純に「友達の友達」をランダムに紹介するだけの機能でもないようです。何らかの数学的処理をしているのでしょう。というのも、この提案が多くの場合「実際に知っている人」であるからです。

こうやって Facebook は、mixi よりも遙かに簡単に友達の輪を増やすことができます。 mixi においては、友達が100人以上のところまで持って行くのはかなり大変だと思いますが、Facebook では比較的容易にそれが可能です。

3.基本的に実名制なので安心できる

mixi は完全な匿名制の SNS であり、実名で登録している人はまれです。それはつまり、相手のニックネームを知っていなければ、たとえ mixi に登録していたとしても、出会えないことになります。一方、Facebook は基本的に皆、実名で登録しています。 それは、そうしなければ友達を増やすことが難しいからです。 この実名制というのは、裏を返せば、「相手の顔が見える関係作りができる」という安心感にもつながります。 mixi には、そういう安心感が乏しいように思います。

逆に、実名制であるということは、自分で公開する情報を厳密にコントロールすることが求められる、ということでもあります。 mixi では、「どうせ匿名だからいいや」と思って書いたネタも、Facebook ではそうはいかない、ということです。その意味で、Facebook は mixi よりも高い年齢層、社会性のある層をターゲットにしていると言えるかもしれません。

4.「日記」中心のシステムでない

mixi は、誰がどう見ても「日記」を中心としたSNSです。日記を書かなければ始まりません。先頃は、「いまどうしてる?」という、ツイッターのパクリの機能がつきましたが、完全にオマケのような機能で、本家 Twitter は言うに及ばず、Facebook とも明らかに劣ったシステムです。

Facebook は、「短いフレーズ」が原則の SNS です。 長文をポストする人は滅多にいません。 日常生活の何気ない事がらを、ごく短い文章で書き残し、それについて、また短いフレーズでコメントがつく。 忙しい人は「いいね!」ボタンだけでも気持ちが伝わる。 そういう「負担の少なさ」が Facebook の良いところです(この機能も最近、mixi がパクリましたね)。

mixi は「足あと」機能を見てもわかるように、非常に粘着質の「日本的つきあい」をユーザーに要求する SNS と言えます。しかし、私たちは本当にそのようなものを求めているのでしょうか? リアルはリアル、バーチャルはバーチャル、という風に使い分ける方が、疲れないで長続きする、のではないでしょうか。その意味で mixi は「疲れる SNS だ」と言うことができます。

5.世界に開かれている

mixi と Facebook の最大の違いはこれです。 こればかりは、どうしようもありません。 mixi は、日本の中で閉じており、外国の友達はシャットアウトされています。 この国際時代に、外人の友達(日本語はできない)が誰でも数人はいることでしょう。 しかし、そういう人は mixi には入ってこれません。 終わりです。 Facebook であれば、言語の壁を越えて、少なくとも「いいね!」を伝えることはできる。 これは画期的だと思います。 そしてまさにこのことこそ、「mixi はジリ貧でありこれからは Facebook の時代になる」と私が思う所以です。

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いかがでしょうか。数年前までは私もここまでは思っていませんでした。 事実、2006年には mixi をプッシュする記事(これ)を書きましたし、2009年には、Facebook の課題を指摘する記事(これ
)も書いたのです。

しかしこの1年で、両者を取り巻く環境は劇的に変化したことを感じずにはいられません。上記のような、明確な Facebook の優位性がある以上、mixi は今後、余程の変化を成し遂げなければ、SNS として長期にわたって利用されることは難しいのではないかと思います。

もちろん、Facebook にも弱点や、プライバシー問題(これ)などの注意すべき点はあります。しかしそれは、おのおのが Facebook にどこまでの情報を与えるかをコントロールすれば良いだけの話です。 つまり、私たちはそのようなITリテラシーを当然の社会的スキルとして要求される時代になった、ということなのです。

SNS を上手に利用するためには知恵が必要ですが、もし思慮深く利用するなら、非常に有力なコミュニケーションツールとして、さらに市民権を得ていくのではないかと、最近 Facebook を利用していて感じています。

願わくば mixi にも、もう一度奮起を期待したいところです。

コメント

  1. 好音 より:

    門谷先生の真骨頂というべきリアル/バーチャル論!
    「非常に粘着質の「日本的つきあい」をユーザーに要求する SNS」
    なるほど、ともに、グサリ・・・
    今やmixiは昔のコミュニティーを利用するために使う、という価値ぐらいですね。
    アプリとか使うならまた別ですが。
    最近mixiも頑張って増やしていますが、ニュースサイト記事の引用、リンクなど、FBの方が断然スムーズ。

  2. 木人 より:

    >「足あと」機能が、「足かせ」機能になっている
    これうまいねw
    確かに私もmixiすっかりやらなくなりました。でも、匿名で本音の議論が出来て、いろんな意見を知ることができる、という点でmixiは使えたなぁと思っています。
    この前回記事みたいな議論は、なかなかブログとかfacebookでは出来ないね。
    あと自分は日記というよりコミュニティというイメージだった >mixi