検索エンジンの寡占は好ましくない

この記事は約3分で読めます。

昨日発表されたニュースで、懸念を感じざるを得ないものがありました。 それは、Yahoo! JAPAN が、検索エンジンと広告配信システムを、Google のものに入れ替える、という発表です。

Yahoo! JAPAN、Googleの検索エンジンと検索連動型広告の採用を発表 [INTERNET Watch]

シェアで見ると、Googleが51%、Yahooが47%で、両者合わせて98%にのぼります。 これがすべて Google のみになってしまうのですから、マイクロソフトが独占禁止法上の懸念を表明した のも頷けます。・・・というか、これはあり得ないし、あってはならない決断だと私は思います。

一社が事実上、ネットの世界の玄関を牛耳ることになるのは、どう考えても好ましいことではありません。 そもそも Google は、中国でのネット検閲に協力してきた歴史があり、先日も中国から撤退すると息巻いておきながら結局は当局の意向に従うかたちで業務復帰するという「前科」があります。

Googleという企業は、昔から「Google八分」(村八分をもじって付けた用語で、Googleの検索結果から表示されなくなる事態を言う。こちらの記事に詳しい)や、GMail のメール本文連動広告によるプライバシー侵害の危険性の指摘(こちらを参照)など、幾度も問題提起がなされてきた企業です。 そのような企業に事実上、日本語ウェブサイトの検索業務を全権委任することになる今回の Yahoo! JAPAN の決定は、いただけないものです。

もう一つ私が気になるのは、Google という検索エンジンは、キリスト教関係のコンテンツに偏向があるように見えてならない、ということです。というのも、私たちの教会の公式サイトに検索エンジン経由で訪れる訪問者は、Yahoo! 65%、Google 25%と、圧倒的に Yahoo!が多いのです。検索エンジンのシェアからすれば、限りなく50% vs 50% に近づくはずですが、現実にはそうはなっていません。 これは、Google の検索エンジンでは、キリスト教関係のコンテンツはヒットしにくい、という事実をある程度示すものではないでしょうか。 もし仮に今回の発表通り、Yahoo! JAPAN の検索エンジンが Google に取って代わるならば、私たちの教会に来る訪問者は数十%のオーダーで減少することになります。 もちろん、単一のサイトだけでこの手の評価をすることの妥当性については議論があると思います。他のサイトの比較データもあると、より説得力が増すと思います。 しかし、少なくとも、これまでは検索エンジンの多様性ゆえに保証されていたネットの世界の間口のが狭まる方向に進むことだけは確実と考えて良さそうです。 それは、良いことでしょうか?

私は Google を敵視しているとか、毛嫌いしているわけではありません。何を隠そう、私のデフォルトの検索エンジンは Google ですし、Google Reader も利用しています。(Gmail はプライバシーの危惧を感じるので使用していません)。 しかし、Google でヒットしない情報が Yahoo! にスイッチするとすぐに見つかると言うことも結構あります。 両者がお互いに相補関係にあることの証左です。 願わくば Yahoo! JAPAN には、今回の決定を再考して頂きたいものです。

数年後、教会関係者のなかで、「最近ウェブページを見て教会に来る人が減ったねぇ」と言われるようなことにならないためにも・・・。

コメント

  1. ミスターSSS より:

     私は普段、Googleを利用しています。Yahoo、孫氏、ソフトバンクのネットワークはあまり好きにはなれません。かくいう私もiPhoneですが、ドコモでサービスを始めたら、そっちに乗り換えたいくらいです。
     それはともかく、日本で、YahooがMS社ではなく、Googleを選んだというのは、賢明な選択だったと思います。Googleはニュートラル性という意味で、私がもっとも信頼できる検索エンジンなのは事実です。
     私はこのiMacを買って以来、MS社もYahooも一切信頼していません。管理人さんの意見とは違うとは思いますが、こういう意見もあることをご存じ下さい。
     無論、寡占状態になることをを支持しているわけではありませんので、念のため。

  2. 管理人 より:

    仰る通り、純粋にビジネスとしてみるならば、Googleとして組む方が、特に検索広告の点で比較にならない程大きなメリットがあるのは明確です。そしてYahoo! も私企業である以上、ビジネスを第一にする権利があるのは自明のことです。
    ですが、一歩視点を変えて、「ネット利用者の選択の自由」という視点から見るならば、チョイスが減るのは明確です。私が利用者よして危惧を感じているのはそこの部分なのです。
    もうひとつ、今度は頂いたコメントについて感じたことですが、「Googleのニュートラル性」という部分に引っかかりを感じました。新聞やテレビと違って、検索エンジンというものは、ニュートラルかどうかは判断が非常に難しいメディアです。「論」として自らを明示的に示すことがないからです。
    扱う情報が膨大すぎることも、ニュートラル性の判断を困難にします。私たちが検索エンジンについて知りうるのはただ、「ある語を検索したときの検索結果」であって、利用者はその結果から、間接的にそのエンジンの傾向を推定するしかないのです。
    しかしこれとて、「あらゆる語についてひとつひとつGoogleの検索結果を吟味してみる」ことなど不可能です。情報量が多すぎて。
    ですから、検索エンジンというものは事実上、「ニュートラル性」を判断することは不可能なメディアだと言えます。私は、いつもこのようなスタンスでいることが重要だと思います。つまり、「自分が見ている情報は確実に何らかのバイアスを受けている」と思って使用する、ということです。
    そしてあえて言うなら、「ニュートラル性」というものは、比較対象があるからこそ、「アレに比べてこちらは中立的」と言えるのであって、比較対象もない孤高な存在に対しては、「ニュートラル」かどうかを判断することは原理的に不可能です。今回のYahoo!の決断で日本に発生するのは、まさにこのような事態であり、何度も書いていますが、私はそこに危惧を感じるのです。
    極端な言い方をするなら、今後は、Googleの吐き出す検索結果は「大本営発表」のようなモノになりうるということです。それが妥当かどうか比較対象が何もない(=意義を唱えるすべがない)のですから当然です。

  3. 好音 より:

    ついgoogleですましてしまいます。
    検索が情報統制、操作につながるとしたら、ちゅうごくの情報操作問題については、批判できないですね。
    フェイスブックが盛んです。googleで検索できないので、脅威になるのでしょうか。

  4. ミスターSSS より:

     私の言った「ニュートラル性」というのは、やや意味が違いまして(紛らわしい書き方をしましたが)、Yahooは前記の通り、孫・ソフトバンク・MSなどと連んでおり、例えばiPhoneではデフォルトがYahoo!になっている、という意味です。
     大昔のYahooBBの「放置プレイ事件」といい、語弊を恐れず言えば、私は彼らを一種の「詐欺寸前グループ」という認識を持っています。
     最近Yahooでほとんど検索していないので何とも言えませんが、そういう疑わしいグループの情報というのは、そもそも信用する気になれない、という意味です。
     「大本営」の一文ですが、それは全く同感です。自動車業界のトヨタもそうですが、本体のトヨタ自動車を始め、日野自動車、ダイハツ、トヨタファイナンス、カーナビのトヨタマップ、ハイブリッドカーなど、自動車分野ではトヨタの寡占といっても過言ではありません。私はそういう風潮に大いなる危惧を持っています。
     まあ、それが「企業努力」と言ってしまったらそれでオシマイですが(笑)。